4人目を妊娠したとき、まず思ったこと。それは「これでメイドを雇えるわ」ということでした。

私だってがんばりました、3人までは、メイドなしで。しかし、もう自分の身体も不自由になり、家事に加えて3人の子どもの世話は見きれない、と早々に判断したのです。本来ならば出産の少し前にメイドを雇う予定でしたが、どうにもつわりがひどすぎて、かなり早い段階でメイドを雇うことにしました。これまで倉庫代わりにつかっていたメイドルームを空にして、準備万端です。

さてここからがメイド探し。メイド派遣のエージェントなどもありますが、私がトライしたのがdubizzleというドバイのポータルサイト。不動産からベビー用品まで売り買いでき、職探しも、またはその逆もできるすばらしいサイトです。まずここに広告をだしました。「日本人家族、子ども3人。秋にはもう一人増えます。月給2000ディルハム(約6万円)」悪い条件ではなかったと思います。しかし子ども3人が強烈なのか、応募の電話がかかりません。そこで月給を2500ディルハム(約7.5万円)に変更してみました。そうしたら電話が鳴り出しました。数人の面接を決め、最初の面接時間にやってきたフィリピン人の女性。美人。あきらかに面食いな我が家の子供たちもなんだかニコニコしているではありませんか。メイドは子供たちとの付き合いがメインだから、子どもが気に入ってくれないことには仕事になりません。これは好感触。しかも、国に子どもを4人置いてきているというし、子育ては慣れているのね、で、英語もキレイだし、デスクワークもしていたようだし、もういいわ、この人に決めよ、と、あとの面接はやめることにしました。面接時間が始まって10分くらいのことでした。

そして彼女に「多分あなたに決めると思うけど、いちおうハズバンドに確認してから連絡するわね、今日はひとまず帰っていいですよ、ありがとう」と言うと「お願いです。ここで働かせてください」的な事を言って帰っていきました。
そして我が家の長女と仲良さそうにおさまった彼女の写真を夫に送ると「いいよ、あなたがきめなさい」ということで、彼女が帰った1時間後に採用の電話をしたらとても喜んでいました。
エージェントを通さず、直にメイドを雇うとなると自分の家族のようにVISAから始まって生活の面倒全てを見なくてはなりません。私達外国人が彼女達のVISAを取得する場合、VISA代その他もろもろの手続きに20万円くらいかかります。そしてお給料に関してはUAEと各国同士で取り決めがあって、国籍ごとにメイドの最低賃金が決められています。高給取りなのはフィリピン人。次いでインドネシア人、インド人、スリランカ人。給料が低いのはアフリカ系となっています。フィリピン人は英語が話せるし、よく働くし、なにしろ明るい。アフリカ系の方々だってよく働くとは思いますが、英語が通じにくいこともあったりしてそれはまたコミュニケーションがとりにくいわけです。そして基本週休1日、1年間働くと2年目はご褒美として1ヶ月の有給休暇と里帰りのエアーチケットを雇用主が保証することになっています。メイドの彼女が言うには、フィリピンだと月にここの5分の1しか稼げない、だからドバイに来たの、ということでした。

あとで揉めるのは嫌だし、お友達のアドバイスもあって細かく契約書もつくりました。洗濯物は別に洗うこと、友人と会うときは建物の外で会うこと、お給料の前借りはしないこと、妊娠しないこと、などなど…
それとは別に移民局で出される雇用主とメイドの契約書というものも必要で、これが彼女たちがきちんと雇われているという公的文書になります。里帰りの際はその書類をフィリピン領事館で認証しておいてもらわないと、ドバイを出て里帰りできても、またドバイに戻ってくることができず、メイドは職を失い、雇用主はまた別のメイドを探すという面倒な事態が待ち受けているのです。

そうしてウチで働き出したメイド。初日にはイケアにいって彼女がメイド部屋で使う家具を全て揃えてあげました。初年度の夏の間に運転免許も取得してもらい、子供たちの学校の送り迎えもやってくれています。そしてもう2年目に突入しました。来週からは里帰りです。同居ということでぶつかる面もありましたが今はお互い心得ができて比較的良好にやっています。一番困ったのは子ども達に「サンタはいない」と言っていたこと(笑)。使用人をもつことに不慣れな日本人は気を遣いがちですが、こちらが雇用主なのだからその必要はないということ、だからと言って邪険に扱うのはとは違う、などいろいろ勉強になりました。雇用主の宝石やら洋服やらバッグを持って消えてしまうメイド、雇用主が留守の際に自分の友達を呼びまくってパーティするメイド、ご主人さまを奥様から奪おうとするメイドなどがいて性善説を信じきれない状況ではありますが、中には自分の部屋はなく、雇用主の子どもの部屋で寝泊まりさせられ、休暇もなく、給料も少ない、という待遇のメイドもいるそうです。問題が起きるということは何かしらそこに背景があるわけで、気持ち良く働いてもらうためにはやはりそれなりの配慮が必要なのです。

(クルーザーに乗った日。誰よりもはしゃいでいたメイドちゃん)